HoneyDrops 06

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「姉さんの結婚式だったのに、俺までお祝いして貰っちゃった。皆がパフェも奢ってくれたし、ホントに嬉しかった」
 背後から抱きかかえている温かなバスタブの中、頬を綻ばせて振り返ってきた奈宜の濡れた髪を、軽くかき上げてやった。


「そうだな。喫茶店の片隅だったけど、俺と奈宜の披露宴みたいだったな。パフェは美味しかったか?」
「すごく美味しかった。あそこだったら、普通の時でも入れるのかな? ちょっと珍しいパフェだったし、また食べに行きたいな」
「あぁ、大丈夫だろう。普段でも利用出来る筈だ。この辺りに遊びに来た時は、またあの店で休憩しよう」
 いつもニコニコと可愛らしい奈宜だけど、今日は本当に楽しかった様で、ホテルに戻ってきてからも機嫌良く、あれこれと話し続けている。
 可愛らしく強請ってくる奈宜に応えてやると、身を捩じらせて笑顔で頷いてくれた彼は、満足気な様子で、また前に向き直った。






 本日の披露宴に姉経由の招待で参加した何名かは、案の定、もうかなり以前から、俺と奈宜の現在の関係を聞いていたそうだ。
 その何名かで話が止まっていたのは、別に皆が気を使って隠していた訳じゃなく、単純に、話を広めるだけの時間的余裕が無かったらしい。
 俺と奈宜が揃って披露宴に参加するのも決まっていたから、実際に俺達を観察しながら説明した方が、何かと話も早いと考えたのかもしれない。
 ともかく、2時間ほどの披露宴が終わる頃には、諸事情を知らなかった残りの招待客全員にまで、しっかりと話が行き渡っていた。


 披露宴が終わった後は、奈宜と二人きりでホテルに戻ってゆっくり過ごそうと思っていたのに、二次会開始までの待ち時間があるから……と、強固に呼び止められてしまった。
 奈宜と過ごす甘い時間を邪魔されるのは不本意だけど、「皆でお祝いしてやるからさ」と言われれば、無下に断る理由も思いつかなくなってしまう。
 それ以上に、大好きな抹茶パフェに釣られて奈宜本人があっさりと承諾してしまったから、俺が「行きたくない」と駄々を捏ねる訳にもいかない。
 奈宜がそうやって我侭を言うのは可愛らしいけど、俺がやると絶対に本気で気持ち悪いと、自分でもそう思う。
 皆から手加減無しの袋叩きにされそうだからなぁ……と真剣に胸の内でボヤきつつ、上機嫌な奈宜も一緒に皆でゾロゾロと、式場に併設されている喫茶店に移動していった。




 てっきり冗談半分に冷やかされるんだろうと覚悟していたのに、意外にも真剣に祝福してくれて、こっちの方が驚いた。
 俺一人ならともかく、その相手の奈宜も一緒だから、皆も色々と考えてくれたのかもしれない。
 もっとも、あの頃と同じ様に随分と年上の人達に囲まれても臆する事無く、自然な笑顔で皆と話している奈宜を前にすれば、無責任にからかう気にもなれないんだろう。
 無邪気にお礼を告げる奈宜のおこぼれにあずかり、皆が二次会へ移動を始めるまでの1時間ほどの間、久しぶりの同級生達から、何故だか本日の新郎新婦並みに「おめでとう!」と祝福の言葉を受け続けた。


 俺自身は全く耳にしてなかったけど、当時から奈宜に対する俺の溺愛ぶりは、少々話題になっていた……と、今頃になって聞かされた。
 今までそういう自覚はなかったものの、今日、久しぶりに顔を合わせた、当時の恋人だった奈宜の姉に対する感情を思い返すと、自分でもすんなりと納得出来る。
 それ以上に奈宜の懐きっぷりも凄かったから、俺達の今の関係を聞いても、あまり不思議には思わないなぁと、喜んで良いのか悪いのか……な、微妙な感想も頂けた。
 とても高校生の男の子だとは思えない位に、愛らしくてキュートな仔猫ちゃんの奈宜だから、皆も訳が分からなくなっているのかもしれない。
 デレデレと頬を緩ませて、俺の可愛い恋人である奈宜を取り囲んでいる野郎共の動向に目を光らせながら、やたらと興味津々で男同士の恋愛について問いかけてくる女性陣の質問を、適当にはぐらかしていった。




「そういえば、アイツ等と話が弾んでいたな。お前も何か聞かれたのか?」
 ふと思い出して問いかけると、前を向いたままの奈宜が微かに首を傾げた。
「うーん……聞かれたのもあるけど、どっちかと言えば、俺が聞いてた方が多いかも」
「奈宜が? 何を聞いたんだ」
「森崎さんが高校生だった頃の話とか、そういうの。今の俺と同じ歳の筈なんだけど、俺が覚えてる森崎さんって、すごく大人っぽいからさ。ホントにそうだったのかな? って、皆に聞いてみたんだ」
「何だ、そんな事を聞いていたのか。それでどうだった?」
「やっぱり、今の俺と全然違って『すごく大人っぽかった』って! 色々教えて貰ったけど、俺の覚えてる森崎さんと、あんまり変わらないかな」
 そう満足気に答える奈宜の身体を、背後からギュッと抱え直した。


「まぁ、大人っぽいと言えば聞こえも良いが。俺は奈宜の方が高校生らしくて好きだな」
「そうかな、ありがとう。でも、もうちょっと大人な方が良いかも」
「いや、今のままで充分だ。無理はしなくて良い。それより、奈宜は甘い物が好きなのに、全然太らない体質だな。姉さんの友達達が真剣に羨ましがっていたぞ」
 ふと思い出して伝えながら、背後から抱き締めている細い裸身に、するりと掌を滑らせた。


 男の子だけど甘い物が大好きな奈宜は、そう言われてみれば、確かに喫茶店に入ると、必ずケーキセットやパフェを頼んでいる。
 スナック菓子の類を食べてる所はあまり見ないから、多分、ケーキ類やアイスクリームなどが好きなんだろう。
 喫茶店での注文には見慣れていたし、部屋では頻繁に食べないから気にしてなかったけど、確かに、高校生の男の子にしては、ちょっと珍しいかもしれない。
 今日も抹茶アイスに小豆や甘露栗、白玉まで入ったボリュームたっぷりの抹茶パフェを、美味しそうにパクパクと食べていて、それを見た姉の友人達は本気でちょっと驚いていた。
 育ち盛りの男の子だし、運動量も多いから甘い物を沢山食べても平気なんだろうけど、日々ダイエットに励む彼女達にすれば、やっぱりかなり羨ましいらしい。
 もっとも奈宜の場合、大人になっても太らなさそうだけどな……と思いつつ、細い腰から太腿に添って撫でていくと、腕の中の奈宜が微かに身体を捩らせた。




「あっ……森崎さん、ちょっとダメだってば……」
 恥ずかしそうに呟きながら、前を隠そうとする腕を掴み止め、その隙に下腹部にへと指を伸ばす。
 予想通り、もう硬く猛りつつある奈宜の可愛いモノに指先が触れて、思わず口元が緩んでしまった。
「別に隠さなくても良いだろう。気持ち好くなってきたのか?」
「ん……森崎さんが、あちこち触るから……直ぐにこうなるから、ちょっと恥ずかしい……」
「それだけ大人になった、って事だろう。気にしなくても大丈夫だ」
 耳朶を甘噛しつつ囁いてやると、それで少し安心したのか、股間を隠す様に閉じようとしていた奈宜の太腿から、ふっと軽く力が抜けた。
 ようやく顕わになった奈宜のモノを掌で握り込み、ゆっくりと上下に擦り始めた。


 初めて抱き合った時から、それなりに気持ち好さそうにしていたけど、最近になってより一層、奈宜の身体は敏感になってきた気がする。
 夏休みの間中、週に何度も抱き合っていたのに、今は週末にしか出来ないから、エッチな事に興味津々なお年頃の奈宜は、何かと欲求が溜まっているのかもしれない。
 抱き合ってキスしているだけで、ちょっと熱を帯びて勃ち上がってくる奈宜の部分に気付く度に、それが本当に可愛らしくて、こっちまで色んな意味で昂ってしまっていた。


 愛撫の先にある快感を奈宜の身体が覚えたってのもあるだろうし、耳元で囁いてあげた通り、彼も大人になりつつあるんだろう。
 初めて抱き合った頃と比べると格段に色っぽい啼き声をあげる奈宜の、可愛らしい敏感なモノを掌でゆっくりと愛撫しながら、艶姿を見て猛ってきた硬いモノを、背後から彼の腰に押し当てた。
 途端に甘い吐息を洩らした奈宜が、身を捩ってキスを強請ってくる。
 勃ち上がった奈宜のモノを抜き上げながら、舌を絡ませて唇を交わし、柔らかなお尻に屹立したモノを擦り付けた。




「……っ、森崎さん……俺も……」
 微かに呟いた奈宜の声に、抱き締めていた腕を放し、足を広げてバスタブの縁に腰を下ろす。
 迷う事なく広げた股間に向かってしゃがみ込んだ、潤んだ上目遣いの奈宜の唇が、猛ったモノに近付いてくる。
 もう見慣れてきた光景だけど、やっぱり何度目にしても、この瞬間は胸がドキドキと高鳴ってくる。
 数時間前は甘いパフェで満たされていた可愛らしい口元が、ゆっくりと俺の勃起したペニスを咥え込んていくのを、息を荒げながら喰い入る様に見詰め続けた。


 色気を増してきた身体と同じく、こういう事も本当に上手になってきたと思う。
 時折、チラチラと上目遣いで俺の表情を伺いつつ、猛り立つモノに舌を絡ませ抜き上げている奈宜の頭に掌を乗せ、まだ濡れている髪に指を絡めた。
「美味いか……奈宜?」
「……ん。おいし、い……」
 チロチロと舌を出して熱い昂りを舐める表情も、あどけない幼さと淫らさが入り混じっていて、堪らなく情欲をそそられる。
 息を乱しながら問いかけると、少しだけ唇を離して甘い声色で答えてくれた奈宜が、また猛った男根を咥え込んだ。
 カリの部分を唇で愛撫しつつ、先端の割れ目に舌を這わせられ、滲んでいる蜜を舐め取られた瞬間、ビクリと腰の奥まで快感が走った。


 このまま小さなお口の中に放ってしまおうかと思ったけど、まだ硬く勃起したままの奈宜のモノを目にして、ちょっと気が変わってきた。
 やっぱりもう少しだけ淫らな姿を堪能しようと思い直すと、華奢な腕を引いてバスタブの中に立たせ、壁の方に向き直らせる。
 それだけで分かったのか、素直に壁に手を付いた奈宜が、小さなお尻を可愛らしく突き出してきた。
 きっと奈宜は自覚してないんだろうけど、そんな仕草も扇情的で、ますます興奮してしまう。
 既に蕩け始めていた熱い内襞に指を埋めて、深部まで丹念に解すと、柔らかな腰を両手で掴み、腹に付きそうな程に猛っているモノを、奈宜の内部にゆっくりと沈めていった。






「ん……っ、……あんっ……」
 バスルームで反響する自分の声が恥ずかしいらしく、腰を揺らしながらも必死で抑えてる甘い喘ぎ声が、逆に物凄く色っぽい。
 昨夜もベッドの中で沢山愛し合ったけど、一晩じゃ全然足りないし、こんなに可愛い姿となら毎晩でも抱き合いたい。
 バスルームの壁に縋り付く奈宜の腰を掴み、背後から奥深くをめがけ、熱い昂りで抉っていく。


 両手で掴んでいる細腰に、また昂りを深く沈めた瞬間、ふと、奈宜の片手が壁に無いのに気付いた。
 奈宜の肩口から身を乗り出し、彼の右手が弄っている先を確認しながら、思わずククッと笑い声を溢した。
「もう我慢出来なくなったのか? 奈宜」
「あ……だって……もう、出ちゃいそうだから……」
 恥ずかしそうに頬を染めて答えながらも、奈宜の掌は自分の勃起したモノを握り締めたまま、無意識に快感を追い求めて蠢き、離れそうな様子はない。
 深部を突き上げられる度に、それに合わせて自慰を続ける姿を見詰めながら、その淫らな仕草にますます欲情してしまう。


 普段とは違う場所での行為に奈宜も興奮しているのか、ギュッときつく締め付けてくる蕩けた深部を、強請られるまま、硬く猛った楔で激しく突き上げていく。
 こうして背後から覗き込んでいると、奈宜がこっそりと一人で自慰に耽っているのを覗いているみたいで、もうやたらと興奮する。
 その劣情に駆り立てられるまま、奈宜の内襞を埋めたモノで勢いよく擦り上げ、快感を追い求めていった。




 抜き上げている奈宜の掌の間から時折覗く、硬く勃ち上がって紅く色付いたペニスの先端から、透明な蜜が滴り落ちる。
 甘い嬌声と共に淫らな水音をたてて、夢中で自分の勃起したモノを愛撫している奈宜の姿が、愛しくてしょうがない。
 恥ずかしがってばかりだった最初の頃とは比較にならない艶姿に、奈宜も本当に大人になったな……と、妙に感慨深く思い出した。


 普段は無邪気で可愛らしい奈宜が、艶かしい表情で腰を揺らして快感を追い求めている。
 恋人の俺しか見る事の出来ない特権を満喫しながら、お尻を支えている片手を上げて、胸の突起を軽く摘んだ。
 途端に甘い啼き声を上げて、しなやかに身を捩らせる媚態を前にして、冷静でいられる訳がない。
 そろそろ我慢も限界に達しそうになってきた猛ったモノを、欲望に任せて激しく奈宜の深部に打ち付けていった。




「……んっ……いく……ああっ」
 恍惚に喘いだ奈宜の深部が、急にギュッと締め付けてくる。
 それと同時に、可愛い掌で弄っていた奈宜の猛ったモノの先端から、白濁の蜜が勢いよく迸るのが、しっかりと目に飛び込んできた。


 放つ勢いに合わせて、キュキュッと甘く蠢いて誘ってくる内襞に、腰の奥まで快感が走り抜ける。
 可愛らしくてちょっぴりエッチな、自慢の恋人をぎゅっと抱きかかえたまま、深く挿入させた奈宜の最深部に、登り詰めた欲望の丈をたっぷりと注ぎ込んでいった。






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