Eros act-3 23

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「麻紀、あんまり食べてないけど……ホントは焼肉嫌いだった?」
 賑やかな食事の最中、ふと手を止めた一稀が、隣からそんな事を問いかけてきた。
 自由奔放に見える一稀だけど意外と周囲の人達を気遣っていて、こんな風にさり気なく色々と問いかけてくれる。
 一稀のこういう案外気が利く律儀な所も、ジェイが彼を気に入った理由の一つなのかもしれない。
 本当に可愛い子だなぁと改めて思いながら、手にしていたグラスを一口煽ってからテーブルに戻した。


「そんな事ない。多分、食事のペースが遅いから、そう見えるんじゃないかな。普通に食べてるから大丈夫」
「あ、そうなんだ。麻紀って食べるの遅い人なのか……」
「みたいだな。自分では気付いてなかったけど、翔にそう言われたから。確かに食事は一人で取る事が多かったし、マイペースなんだろう。それより、今日は俺だけ飲んでるからさ。一稀達は沢山食べるといい」
 単純に「平気だから」と言っても納得しなさそうな一稀にそう答えて促してやると、素直に頷いた彼は、また網の方に手を伸ばした。
「焼肉は好きだから、いくらでも食べるけどさ。逆に飲まない方が食べるかも。今日は麻紀の奢りなのに悪いなぁ」
「心配するな。翔から、皆で食事に行った時の話を色々と聞いた事があるし、一昨日はティコと颯太を連れて行ってきた。大体、こんな感じだろうと予想していた通りだな」
「へぇ、そんな話もしてるんだ。ホントに仲良くなってくれて良かった。翔が麻紀を気に入ってるって、ずっと前から聞いてたからさ。オーナーとボーイだし直ぐには無理かもしれないけど、そのうち上手く行くと良いなぁ……って、本当に思ってたんだ」
 俺も彼と同じ年だった頃があったはずだけど、こんな可愛気は無かったと思う。
 自分とジェイの事を話してるかの様に、嬉しそうに頬を綻ばせて呟く一稀の姿を見詰めながら、この街にやってきた当時の事が、ふと頭の隅を過ぎっていった。




 一稀がジェイと出逢ったのと同じ位の年の頃、俺はこの街にやってきた。
 周りの皆は年上ばかりで俺が一番年下だったのに、いつの間にか、客や売りの仲間達に同年代の奴等が増えてきて、そして年下が多くなってきた。
 売り専として大金を稼げる期間が意外と短いって事は、もう充分に分かっている。
 だから、ジェイにあっさりとフラれた挙句、彼の店でボーイとして働く事も拒否された時、自分でも驚く位に何の躊躇いもなく、売り専ボーイを引退してオーナーになろうと決心出来たんだと思う。
 自分が実年齢より若く見られる方だって自覚はあるし、こういう容姿を好む奴が一定数いる事も分かってる。
 でも、だからこそ一稀みたいに、俺と似た容姿の若い奴が売りに出たとしたら、もう絶対に敵わないのも充分に理解していた。


 あの時、一稀と偶然出逢って、自分と似た外見を持つ彼と色んな話をしていたから、余計にそう感じてしまったのかもしれない。
 周りの皆は「まだ勿体無いと思う」と惜しんでくれたけど、そう言って貰える位で身を退くのが一番良い時期なんだと実感した。
 それまで深く考えた事はなかったけど、気付けば馴染みの客を多数抱える古株になっていて、俺より明らかに若い子達が増えてきた売りの現場に、無意識のうちに限界を感じていたんだろうと、今頃になってそう気付く。
 自分的には心底サッパリとした気持ちで、それなりに売れっ子で稼げていた現役生活を引退し、それでも意外と気に入っている街から離れる気にもなれず、今度はオーナーという立場で売り専を続けて行く道を選んだ。




「そういえばさ、麻紀さん。何で俺達に晩飯を奢ってくれるんだよ。一稀とは昔からのちょっとした知り合いだってのは聞いたけど、何でティコや颯太まで?」
 網に乗せた肉の焼け具合を確認しつつ、ゆったりとした口調で問いかけてきた拓実の声で、数年前の想い出から、今の時間にへと引き戻された。


「あぁ、颯太もちょっとした知り合いだ。いつも颯太から『ティコに良くして貰ってる』と聞いてたし、一度ティコとも話をしたいと思ってたんだ」
 紛れも無く自分のやってしまった事実だから、本当の理由を話しても良いとは思うけど、中川も「皆に説明する必要はない」と言ってくれたし、こんな場で話を蒸し返しても、きっと一稀も困ると思う。
 それを話すのは一稀と二人だけで出かけた時にする事にして、拓実にはもう一つの理由だけを告げてみると、それで納得してくれたらしく、チラリと視線を向けてきた。
「へぇ、颯太とも知り合いなんだ。でもそれなら、何で麻紀さんトコで働いてないんだ?」
「それでも良いけど。でも颯太はウチの連中より若いし、ソッチの店の雰囲気に合ってると思ったから。俺が颯太に、クラブJの面接を受ける様に薦めたんだ」
「そう言われれば納得だな。確かに、あの店に合ってるかも。それにしても、やっぱり麻紀さんは顔が広いなぁ。知り合いだらけなんじゃ?」
「俺もこの街で働き始めてから長いし、自然と顔見知りは増えてくる。それと、ウチには翔が来てくれたから。ジェイの店を引退後も売りを続けるヤツがいるなら、スカウトかけるのも悪くないと思ってさ。拓実と裕真には、そういう事を聞きたくて誘った。ジェイも勧めてくれたんだ」


 自分の店を持って数年が経ち、もう色んな事に慣れてはきたけど、やっぱりボーイを選ぶのには、いつもそれなりに苦労している。
 ジェイの店で働いてた奴なら身元もしっかりしてるし、色んな意味で安心だと思う。
 実際にどうなんだろうな……と考えながら、それとなく説明してみると、隣に座ってる橋本も此方に視線を向けてきた。


「あぁ、なるほど。確かにクラブJって、引退も早い方ですよね。俺は元々ノンケだし、全然知らなくて入ったから、アレ位の年齢で引退が普通なのかと思ってたけど」
「俺の店でもそうだけど、大体は25歳までの所が多い。だからジェイの店を引退後も、俺の所で2年は働けると思う。裕真も来年は引退だろう。何か考えてるのか?」
「あ、俺はマジで引退なんですよ。親の借金返済の手助けでボーイを始めたから、それは元からそんな感じで決めてたし。引退まで勤めれば、返済も全部終わって少し余る予定。もし無理っぽかったら、少しだけ続けるかもしれないけど。一応、終わりって決めてるんです」
 相変らず水商売のボーイらしくない、礼儀正しい語り口の橋本は「元ノンケだから」って言い張ってるけど、そういう理由じゃなくて、きっと彼の性格なんだと思う。
 美味しそうに焼肉を頬張りつつ、丁寧に答えを返してくれる橋本の姿を、一稀を見ている時とはまた少し違う微笑ましい気分で、暫し眺めた。
「やっぱりそうなのか……ちょっと残念だな。翔に『拓実と裕真はどうだろう?』って聞いた時に、『多分二人共、そのまま引退だろうな』とは言われてたんだけど。今でも変わってなかったのか。拓実もやっぱり引退?」
 念の為に問いかけてみると、橋本の隣に座っている拓実が、口を動かしながら頷いた。


「そうなると思う。まぁ、俺の場合、ギリギリにならないとハッキリとは決められないけど。裕真んちの親父さんが、工場の隅を貸してくれるって言ってくれたんだ。だから、そこで自分の仕事やりながら、空いた時間はコイツんちの手伝いすれば良いかなってさ」
「工場? それに『手伝い』って……拓実が簡単に出来る様な仕事なのか?」
「町工場なんだけど、精密金型製造がメインなんだ。俺がやろうとしてるのがシルバーのアクセだから、結構基本的な技術や考えが似てる感じかな。偶然だけど、すっげぇ興味ある仕事だし、覚えた事が自分の為にもなるからさ。もう喜んで手伝うぜ! って感じ」
「へぇ……何だか仕事の内容はピンとこないけど、楽しそうで良かったな。じゃあ、親の借金返済って、その工場に関する事なのか?」
 ふと思い出して問いかけると、橋本が何故だか嬉しそうに頬を緩めた。


「そうなんですよ。やっぱりそういうのも、安く作れる海外に発注される事が多くなってきて……かなり経営も厳しくなってるんですよね」
「なるほど……裕真は引退後、親の手伝いを?」
「はい、そのつもりです。だから、タトゥも入れる事にしたんですよ。正直、普通にリーマンにでもなった方が、将来的にも収入も安定するんだけど。そう考えて逃げ道作りたくないから、タトゥとかガンガン入れてしまえ! って感じで」
「決意表明だな。ご両親は喜んでるんじゃない?」
「まぁ、それなりに。最近、拓実のやってるシルバーアクセに興味持ったみたいなんですよ。やっぱり何かと似てるんだろうな。貴金属の金型請負も始めるみたいだし、俺が工場を継ぐ事より、拓実と色々話する方が楽しいみたい。拓実はウチの仕事を手伝うとか言ってるけど、親父は今の仕事だけじゃこの先厳しいから、拓実の好きなアクセ方面もやってみたいらしいんですよ。そのうち、半分はソッチ系になるんじゃないかなぁ」
 お互いに売り専ボーイの仕事を続けてるから、まだハッキリさせてないそうだけど、事実上、既に恋人同士なんだろうと、翔から話を聞いている。
 極自然に、その中に拓実も含まれている家族の話を聞かせてくれる橋本と会話を続けながら、もう何年も会っていない、自分の家族の事を思い出した。




 ジェイの実家には敵わないけど、自身で事業を展開していた父母と弟の4人で暮らしていた子供の頃は、現在と同じ位に金に困る事もなく、それなりに裕福な暮らしだったと今でも思う。
 唯一の悩みは同性愛者だと自覚した俺の事くらいで、それをいつ両親に打ち明けようかと考える程度の、本当に静かで快適な日々を送っていた。
 何の疑いもなく、ずっと続いて当然だと思っていたその生活が唐突に終わったのは、18歳になったばかりの高校生の時だった。
 事業の失敗なんて突然起こる、ありふれた出来事だと、大人になった今なら充分に理解出来る。
 でも社会のしくみなんて分からない当時の俺は、自分達家族に一体何が起こったのか……今考えると、ハッキリとは分かってなかった。
 まだ子供だった俺達に、両親は余計な心配をかけたくなかったんだと思う。俺と弟が知った時にはもう、色んな事が全て手遅れになっていた。
 それでも、家族揃っての穏やかなあの生活は二度と戻って来ないんだと、それだけは分かる。
 文字通り逃げる様に離ればなれになりながら家族と別れ、ずっと頭の片隅で気になっていた、この街にやってきた。


 何もない状態から一人で始めた生活に慣れるまで、やっぱり少しだけ辛く感じた。
 無意識に馴染んでいた生活に戻ろうと、だからきっと、自分でも気付かぬうちに金に執着していたのかもしれない。
 そして俺が持っていない、金を稼ぐズバ抜けた才を持ちあわせているジェイの能力が、心底欲しくてたまらなかった。
 ジェイは勘が鋭い方だし頭も良いから、きっと俺が愛情なんかじゃない、他の理由を胸の内に隠して言い寄っていると、薄々気が付いていたんじゃないかと思う。
 気持ちが落ち着いてきた今となっては、あれは無いよな……と自分でも呆れるし、彼に随分と失礼な事をしたと反省している。
 丁度そんな時期に出逢った一稀が、数年後にジェイの恋人になり、今、こうして一緒に食事をしているなんて、本当に不思議な縁だと感じてしまう。
 最後に弟と会った時、彼は高校生になったばかりだった。
 だから、初めて一稀をクラブの片隅で見かけた時、それと同じ年頃の彼の姿に、まだ楽しかった昔を思い出して懐かしくなった。
 あの時、ほんのチラリとだけ話してくれた内容で、何となく、一稀も俺と同じ様に戻る場所が無いんだろうな……と、そんな風に感じられた。
 だから今、一稀がジェイと仲良く暮らしているのを見ると、本当に安心してしまう。
 迷惑をかけてしまったジェイと一稀が、このままずっと穏やかに過ごしていけたら良いなと、心の底から願いながら、賑やかに食事を続けている三人の姿を、微笑ましく見守った。




「それじゃあ、拓実はクラブJを引退したら、裕真の家に住むとか?」
 ほとんどそんな口ぶりで話し続ける二人に向って、何気なく問いかけると、拓実が少々真顔になって考え込んでしまった。
「それでも良いけど、多分、近くに別のマンションでも借りると思う。俺一人で住むのか、裕真と一緒かは決めてないけど。コイツは元々ノンケだし、やっぱり親の目の前で……ってのは、ちょっと躊躇うよなってさ」
「確かにな。それで『ギリギリにならないと決められない』なのか」
「そんな感じ。家借りるだけでも金がかかるし、仕事も一からになるからさ。来年は引退だから、そろそろ節約しなきゃだよな」
 そろそろ……と言ってるけど、本当は今も節約生活に入っているのかもしれない。
 元気に話しながらも、それと同じ位の勢いで食べる手を休めようとしない三人の姿を、半ば呆然と見守った。
 いくら彼等が俺より若いと言っても、そんなに離れていないと思う。
 少なくとも、ほんの数年前は拓実達と同じ歳だった筈なのになぁ……と悩みながら、また網に新たな肉を乗せ始めた拓実の手元を、ぼんやりと眺めてしまった。


「……拓実、もう節約生活を始めてるのか?」
「まぁ、それなりにって感じで。何で?」
「――――いや、やたらと食べっぷりが良いからさ。でも、そう考えるとティコや颯太も食べてたな。颯太とは二人だけで食事に行った事もあるけど、あんなに食欲旺盛じゃなかった気がするんだけどな」
 ふと思い出して話してみると、それを聞いた拓実が軽く笑った。
「ソレって多分、ウチの店で働き始めたからじゃね? ウチは売りで客の相手をやって、空いた時間はクラブの接客で動き回ってるからさ。確かに給料的には他所の倍ほど稼げるけど、肉体的にはヘビーだと思うな」
「確かにそうだな。ウチの場合、客に指名されない限りは、皆、好きな事して遊んでる様なモンだからな。その時間の給料は出ないけど、肉体的には楽だろう。そう考えると、ジェイが『ボーイは23歳で引退』って決めた理由が分かる気がする。あの方式だと、真剣に20代前半じゃないと身体がもたないんだろうな」
「絶対そうだぜ。俺くらいの歳でもキツイなぁ……って思う時があるし。若い頃に一気に稼ぐ店だよな。まぁ、そんな感じだから、とりあえず毎日沢山食べとかなきゃ。仕事中にブッ倒れるぜ」
 拓実の言い分が正しいのかどうかは分からないけど、彼等と一緒に食事をしていると、やたらと無言の説得力があって、問答無用で納得出来る。
 俺くらいの歳になると、さすがに連続で焼肉は辛いかな……って言葉を、何とか胸の中に押し留めながら、彼等の食欲に押されて普段より箸が進んでいる自分の姿に、ふと気付いた。


 大人の会話でゆっくりと時間を過ごす、落ち着いた自分の店のボーイ達と飲みに行くのも楽しいけど、ジェイが言ってた通りに若い連中と遊びに行くのも、色んな発見があって面白い。
 特にジェイの店で働いている彼等は、毎日休みなく動き回って、そのハイテンションな勢いのまま日々を過ごしているから、余計に元気なのかもしれない。
 翔も楽しそうに接客してる事だし、空き時間に本人の希望があれば、バーの接客にも廻れる様にしてみようか……と真剣に検討しつつ、普段とは全く傾向の違う賑やかな一時を、本当に楽しく過ごしていった。






*****






 とりあえず一稀をマンションまで送り届けて、立ち止まって考える。
 一旦、自分の店に戻って、翔の様子を覗いて帰るか……と思い立った所で、手にしていた携帯が鳴り始めた。
「はい……今、一稀を送り届けた。翔の様子を覗きに、一度店に戻ろうかと思ったんだけど……え? 大丈夫だ。家に帰るんなら遠回りになるだろう……まぁ、そんなに大した距離じゃないけど……分かった。じゃあ、ソコのコンビニに入ってる」
 もう仕事は終わったらしく、どうしても『迎えに行く』と言い張って聞かない翔に根負けして、苦笑しながら電話を切る。
 約束通りに、ジェイ達のマンションに一番近いコンビニにへと向いながら、それでも、案外気分は悪くなかった。




 翔をボーイとしてスカウトしようと声をかけて、初めて一緒に飲んだ時、彼と過ごす時間は意外と心地良いって事に、ほんの数分もしないうちに気付いた。
 別に大した話をしている訳じゃないのに、翔と一緒にいると、それだけで気分が落ち着いてくる。他の誰にも感じた事のない安心感を、翔といると感じられた。
 だから俺は、きっと彼の事が好きなんだろうな……と、ずっと前からぼんやりと自覚していた。
 もっと違う出逢い方をしてれば、翔に気持ちを告げて恋人同士になれたかもしれない。
 でも俺は店のオーナーで、彼は従業員になるんだから……って、そう自分に言い聞かせて、彼に対する気持ちをずっと押し留めていた。


 一稀と颯太の件を皆で話し合った日、部屋に来ようとする翔を、どうしても拒絶出来なかった。
 どうして翔がそんな事を言い出したのかは分からないけど、きっとこれが最初で最後になるだろう。
 だから一度位は、好きなヤツに抱かれるのも良いかもしれない――――
 そんな気持ちで彼を受け入れ、初めて抱き合ったあの夜、ずっと胸の奥で慕っていた翔が、本当の恋人になってくれた。


 妙な所で素直になれない俺には、本当に勿体無いくらいに優しい恋人の彼は、あの時に約束してくれた通り、毎日暖かく包んでくれる。
 もう消え去ってしまった出来事で、俺にはもう無縁な事なんだと思っていた穏やかな日々を、また翔と過ごしている。
 一稀もきっと似た気持ちを感じながら、ジェイと一緒に過ごしているんだろう。
 お互いに、収まる所に収まったんだなぁと考えながら、ほんの少し口元が緩んでしまった。


 平穏な日々は壊れやすく、ずっと続いていく訳じゃないと分かっている。
 それは多分、一稀も嫌って位に知っている筈だから、尚更、手の届く所に在るジェイの姿に、その気持ちを隠そうともせず必死になって縋り付いているんだと思う。
 でも、それは儚いモノだと分かっているから、容易に手放すつもりはない。


 ――――俺も一稀も『彼』との日々を護る為なら、きっと何だってやるだろう……


 そんな事を考えながら、最愛の人が迎えに来てくれるのを、コンビニの片隅で時間を潰しながら、一人で静かに待ち続けていた。






     Eros act-3 《The end》






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